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東京でのライプニッツ講演会「Inhibition in the Brain and Spatial Memory」、「神経科学セミナー」

ドイツがん研究センター・ハイデルベルグ大学病院のハンナー・モンイェー教授は感覚印象と記憶についての講演、講義を行いました。

人間の脳には少なくとも900億の神経細胞があるとされています。脳はこの膨大な数の細胞の相互作用をどのように制御しているのでしょうか。また、この相互作用からどのように感情、動作、記憶の形成につながるのでしょうか。

5月19日、ドイツ文化会館で開催されたライプニッツ講演会「Inhibition in the Brain and Spatial Memory」で、モンイェー教授は脳の複雑な働きに焦点を当て、感覚印象、空間認知と記憶の関係性についてわかりやすく説明しました。モンイェー教授は脳を制御する際に重要な役割を担う細胞、いわゆる介在ニューロンを発見し、2004年にはそれまでの研究と介在ニューロン発見の功績に対して、DFGのライプニッツ賞を受賞しました。現在、モンイェー教授はドイツがん研究センター・ハイデルベルグ大学医学部臨床神経生物学科の学科長を務めています。今回のライプニッツ講演会の参加者の大半が自然科学分野の研究者ということもあり、講演会後のレセプションでも活発な議論が続きました。日本とドイツはアメリカとともに神経科学の多くの分野で研究をけん引しています。この3か国で研究する科学者は新たな発見のために競合関係である一方で、共同プロジェクトや共同研究といった協力による研究の躍進に対する期待は大きく、協力の実践が求められています。

翌日、5月20日には東京大学での神経科学セミナーで講義を行い、モンイェー教授は講義に熱心に耳を傾ける神経科学科や医学科の学生を脳研究の世界へと導きました。モンイェー教授は学生に神経科学の文献や歴史を知り、それを新しい発想の基礎とすることと、その相関性に対して感覚を養うようにアドバイスしました。そして、この講義では自身の研究室で行われている最新の研究も紹介し、優秀な学生へドイツ、できればハイデルベルグでの研究滞在を実現してほしいと呼びかけました。講義後のディスカッションは予定時間を大幅に超過し、参加した学生のドイツでの研究に対する関心の高さがうかがえました。

Professor Dr. Hannah Monyer is Head of the Department Clinical Neurobiology, University Hospital & German Cancer Research Center (DKFZ), Heidelberg, Germany.

Abstract

Many cognitive processes, including learning and spatial memory, require the synchronous activity at the millisecond range of many hundred neurons. My lab works on GABAergic cells, i.e. those neurons that are the major source of inhibition in the brain and control the timing of neuronal activity. Metaphorically speaking, in a network, GABAergic neurons can be viewed as ‘directors’ whilst the other neurons constitute the ‘players’ in an orchestra. For decades we have studied GABAergic interneurons at the molecular, cellular, network and behavioral level, seeking to find out what properties enable GABAergic neurons to exert their function of controlling the timing of neuronal activity in large networks. I will illustrate how we employ different techniques, including mouse genetics and optogenetics, and seek to elucidate the function of GABAergic interneurons in the hippocampal-entorhinal complex, which is a brain structure involved in learning and spatial memory.

ゴットフリート ヴィルヘルム ライプニッツ賞について

「ドイツのノーベル賞」とも言われる権威あるゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ賞はドイツではライプニッツ賞として広く知られています。1985年に創設され、2015年には30周年を迎えました。毎年最大10名、ドイツに研究活動拠点を置き各分野で活躍する特に優れた研究者が選ばれ、それぞれに250万ユーロ(約3億円:2015年レート)が授与されるドイツの科学界の最大の賞です。

ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツとは

ライプニッツ賞はライプニッツの大いなる功績に敬意を表し、その名前を冠しました。ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツとは、哲学、数学、論理学、他幅広い分野で学際的な才能があり、哲学者としては、「予定調和説」を提唱し、また、数学者としては、ニュートンと同時期に「微分積分学」を創案したことでよく知られています。