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学術界・研究界における女性リーダーの育成

DFG代表者、東京と熊本で開催された男女共同参画のシンポジウムに出席

安倍晋三首相は、2013年9月に開催された国連総会で、日本政府は女性が輝く社会をつくると演説し、女性が働きやすい環境を作り、よりよいキャリアチャンスをつかんでもらうため、安倍政権の成長戦略の一環である、ウーマノミクスの第一の対策として、保育所の増設を約束しました。

日本政府は1980年に国連総会で制定された「女性差別撤廃条約(CEDAW)」にならい、1986年に「男女雇用機会均等法(EEOL)」を施行したにもかかわらず、いまだに、民間企業や学術界・研究界では女性参画にとって大きな成長余力が存在しています。この成長余力をどのように活用できるかについて、多くのイベントが日本各地で開催されています。

国際交流基金は9月4日にベルリン日独センターと日本学術会議との主催で、「ダイバーシティが創る卓越性~学術界における女性・若手研究者の進出~」を開催しました。このシンポジウムでDFG科学・学術における男女共同参画を推進するチームのチーム長エファ・ライヒヴァイン(Dr. Eva Reichwein)はDFGの男女共同参画の取り組みについて発表しました。マルティン・ルター大学ハレ・ヴィッテンベルグ、政治学・日本学研究所の所長、ゲジーネ・フォルヤンティ=ヨースト教授はスピーチの中でドイツの学術制度における男女共同参画を紹介しました。(こちらのフォルヤンティー=ヨースト教授は長年のドイツと日本の学術交流への貢献した功績が称えられ、2015年10月、DFGのオイゲン&イルゼ・ザイボルト賞を受賞しました。)

DFG日本代表部ミラ・バウアサックス

DFG日本代表部ミラ・バウアサックス

10月26日には熊本大学主催、大学コンソーシアム熊本共催のシンポジウム、「グローカル共生社会~女性リーダーを育む環境を考える~」が開催されました。DFG日本代表部ミラ・バウアサックスは基調講演を行い、ドイツの学術界でリーダーとして成功を収めている女性教授のキャリア形成について取り上げ、DFGが助成プログラムの中でも特に力を入れている男女共同参画の取り組みについて話しました。

続く、パネルディスカッションでは日本の大学はドイツとどの様に異なり、女性研究者の割合を高めるのがなぜ難しいかことについて話し合われました。背景には、日本では学部卒以降の進学の時点から女性の割合が減少するのに対し、ドイツでは少なくとも博士課程修了までは男女比率がほぼ均衡であるという大きな違いがあげられました。そのため、日本では大学は女性の若手研究者を育成する状況を作り上げるために、まず修士課程に進む女性の割合を増やし、そこから博士課程進学の割合を増やしていき、同時に全体的な若手研究者のキャリアの機会を改善していく必要があると結論付けられました。

また、適切なライフワークバランス形成についてもパネルディスカッションで取り上げられました。いまだに日本では女性が家庭か仕事を選択しなければならない状況であるため、この問題解消として保育所の増設が重要な支援体制として挙げられました。そのほか、大学病院の男女共同参画担当者からは、日本で子どもが病気になった場合、年に5日の看護休暇が付与されている事に対し、ドイツでの病児保育の状況はどのようになっているかの質問が出されました。ドイツでは子どもが病気になった場合、その子どもが回復するまでの期間、親が自宅で看病するための傷病手当金が給付される社会保険のシステムが確立している為、逆にドイツにおける病児保育の充実について考えるきっかけとなりました。

文部科学省代表者の挨拶では、ここ数年、文部科学省での採用試験において、女性が男性よりも好成績を収める傾向にあり、より多くの女性が採用されているとして、文部科学省で管理職に就く女性の割合が男性の割合を上回るのも時間の問題だとの見知が述べられました。

熊本大学は平成25年度から27年度の期間、文部科学省の「女性研究者研究活動支援事業 (拠点型)」に採択されており、定期的に関連するテーマのシンポジウムやワークショップが開催されています。