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ドイツ研究振興協会(DFG)会長がグローバルリサーチカウンシル(GRC)に出席

「科学上のブレークスルーに向けた研究費支援」、「研究・教育の能力構築」について議論

2015年5月26日~28日、第4回グローバルリサーチカウンシル(GRC)年次会合(以下、GRC年次会合)が東京で開催され、世界各国から約70名の研究助成機関の代表者が出席し、「科学上のブレークスルーに向けた研究費支援」、「研究・教育の能力構築」のテーマについての議論を行いました。

今回のDFG会長、シュトローシュナイダー教授(以下、シュトローシュナイダー会長)の来日に際して、DFG本部から、国際交流部部長 兼 日本代表部代表のヨォーク・シュナイダー(Dr. Jörg Schneider)、DFGのグローバルリサーチカウンシル(GRC)の担当官、国際交流部のプログラムオフィサー、グルーリッヒ・ライナー(Dr. Rainer Gruhlich)とGroup Strategy and Policyのプログラムオフィサー、マリオン・シュルテ・ツー・ベルゲ(Dr. Marion Schulte zu Berge)が同行しました。

GRC集合写真

GRC年次会合の開催中には公開シンポジウム「科学上のブレークスルーに向けた研究費支援」も開催されました。科学上のブレークスルーは重要な生活基盤の発展と維持、経済成長と安定の源泉であるため、産業国家であるドイツや日本をはじめ、新興国や発展途上国にとっても必要です。そのため、多くの国々の政策は実用性に重きを置いた研究や、実用性を見込まれたテーマにしたプログラムを支援する傾向にあるのが現状です。しかしながら、持続可能なエネルギー供給の安定化や感染性疾患といった重要課題に取り組む場合には、新発見や革新的な問題解決策というものが必然です。

シュトローシュナイダー会長はパネルディスカッションの中で、斬新で革新的な展開とは、予測や計画出来るものではないので、真の「ブレークスルー」に向けて支援するのは難しいと述べています。そもそもブレークスルーとは研究の予想を凌駕するような結果であり、科学上のブレークスルーを生み出すために、研究助成機関は研究成果見込みだけに囚われるべきではありません。DFGは基礎研究におけるボトムアップ型の支援を行うことによってブレークスルー誕生も可能な適切な基本的枠組みの確立に努めています。また、シュトローシュナイダー会長は科学イノベーションで最も大切なのは競争的支援と継続可能な支援とのバランスであると述べました。

今回のGRC年次会合の開催にあたっては、サブサハラ・アフリカ諸国からの代表者の参加も多く、安倍総理大臣は開催国代表挨拶の中でGRCに期待する事として、取組重要課題の1つである「統一基準」策定を科学の共通理解に基づき進めてもらいたい事、また、新興・発展中の研究機関および助成機関の組織構築や運営の支援から国際協力の基盤強化に繋げてもらいたいといった事が述べられました。今回の採決された宣言では、科学者の自由な発想に基づく科学研究は、人類社会の発展の原動力で、適切な支援と具体的な対応策を立てることは必要であり、政治責任でもあるとGRC参加者は同意しました。

また、高い評価を得たシュトローシュナイダー会長の講演のなかで、自身の観点から実務的な課題を取り上げ、それに関して国際的なレベルで連携できる可能性があると述べました。

世界各地で開催されたGRC地域会合ので「科学上のブレークスルーの支援のための原則に関する宣言」が準備され、今回東京で行われたGRC年次会合で採択されました。これは、研究助成機関が自由な基礎研究に対して初めて提唱したもので、経済と人類社会の発展への応用の反対側にあるというよりは、その応用のためにあると理解されています。

そして、これについてはDFGが以前より提案してきたことでもあります。

GRC年次会合の中では、もう一つの議題であった、「研究・教育能力構築のためのアプローチに関する宣言」の文書も採決され、研究助成機関は、研究システムや研究・教育能力構築のために、ワークショップでの情報共有や人事交流、研究環境の整備等をサポートする内容が含まれています。

さらに、GRC年次会合の会期中には、GRCの運営理事会も開催され、今後のGRCの改革案や来年のGRCについて協議しました。来年のGRC年次総会は5月にニューデリーで開かれる予定で、テーマは研究における男女共同参画と横断的領域について議論されることになりました。

GRC年次会合の会期中、参加者はJAMSTEC横浜研究所を訪問し、気候変動など情報を元とした大規模なデータを解析する世界最高レベル性能のスーパーコンピューター、「地球シュミレーター」を見学しました。

GRC年次会合閉会後、シュトローシュナイダー会長はDFGのパートナー機関である、日本学術振興会(JSPS)や科学技術振興機構(JST)、今年の4月に新たに設立された日本医療研究開発機構(AMED)の理事長を表敬訪問しました。