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6年目を迎えた日独共同大学院プログラム、東京でワークショップを開催

日独共同大学院プログラム、ベストプラクティスと展望

開会挨拶:DFG日本代表部のイリス・ヴィーツォレック代表

開会挨拶:DFG日本代表部のイリス・ヴィーツォレック代表

DFGは2006年より日本学術振興会(JSPS)と共同で「日独共同大学院プログラム(JGGE:Japanese German Graduate Externship)を支援しています。これは2005年に調印した両者の覚書に基づくもので、現在4つのプロジェクトが支援を受けています。DFGとJSPSは2012年4月25日に「日独共同大学院プログラム、ベストプラクティスと展望」と題するワークショップを共催し、6年間の成果を総括しました。DFG日本代表部も3年前の2009年の開設時からこのプログラムに係わっており、JSPSと緊密に連携しています。なお、このプログラムのドイツ側の名称はInternationale Graduiertenkollegs(IGK)となります。
ワークショップには、両国から合わせて30名が参加しました。はじめにJSPSの浅島理事、DFG日本代表部のヴィーツォレック代表、DFG本部のグランデラート氏から歓迎の挨拶があり、今回のワークショップの意義と日独のパートナーシップ・友好の重要性が指摘されました。また、若手研究者の共同支援が両機関の重要課題であり、今後さらに強化していく必要性がある点が確認されました。

 今回のワークショップは、各プロジェクトのメンバー間の、またJSPSとDFGとの情報交換の場となりました。プレゼンテーションやディスカッションを通じて日独共同大学院のベストプラクティス例が示されたほか、プロジェクトのメンバー間やJSPS/DFGのスタッフとの意見交換、プログラムの将来的な拡張に向けての問題提起とさまざまな収穫が得られました。4つのプロジェクトのコーディネーターと博士課程大学院生が、支援機関であるJSPS/DFGのスタッフと顔を合わせ、情報や意見を交換できる機会はこれが初となります。パートナーを組む大学ペアはその共同プロジェクトと構築したシステムについて、またメンバーである博士課程の大学院生はそのプロジェクト、とくにパートナー大学への派遣滞在で得たものについて発表を行いました。
博士課程大学院生は一定期間をパートナー大学で過ごすことで早い段階から外国の研究者との交流を深められ、国際会議・シンポジウムへの出席では得られない独自の研究ネットワークを開拓できます。共同大学院プログラムでは全参加者に特定の水準が求められるため、自主運営力や語学知識、コミュニケーション力、国際力に磨きがかけられます。

 また、学際的研究の指向も共同大学院プログラムのメンバーにとって大きな利点です。異分野の研究者との討論を通じて創造性が高められ、また共同大学院において研究の幅が広がることで、博士課程大学院生はその研究テーマについて新たな視点でのアドバイスが得られます。名古屋大学のコーディネーターを務める巽教授は、共同大学院プログラムのプラス面について「研究滞在から帰ってくると、変化と進歩が見られる」と述べています。

また、もう一段階先の若手研究者を共同大学院に組み込み、支援する画期的なアイデアも披露されました。ミュンスター大学/名古屋大学のプロジェクトでは、滞在先のミュンスターで日本の助教に授業の機会が与えられます。これは、ドイツの博士課程大学院生にはもとより、国際的な環境での授業・講演の経験が大きな糧となり日本の若手研究者にも大きな財産となります。

各プレゼンテーションを通じて、遠距離にもかかわらずパートナーの2大学間には非常に緊密で効果的な連携が構築されており、それがメンバー全員の多大な尽力と斬新なアイデアによって進捗している状況が把握されました。

開会挨拶:DFG本部のグランデラート氏

開会挨拶:DFG本部のグランデラート氏

© jsps

コーディネーターである名古屋大学の巽和行教授とダルムシュタット大学のマティアス・ヒーバー教授が座長を務めたパネルディスカッションには、各プロジェクトのメンバーに加えて、JSPSからは国際事業部研究協力第二課の宅間裕子課長が、DFG本部からは国際プログラム部第二研究課のセバスティアン・グランデラート課長、大学院・若手研究者支援担当のミリアム・ポル氏が参加しました。このディスカッションでは、日独共同大学院が両国で博士課程大学院生の指導の質を継続的に高め、国際的な若手育成における新たなスタンダードとなるという点が共通認識として再確認されました。また、日独共同大学院は両国の研究機関の連携の継続的拡張を可能とする枠組みであり、さらなる日独連携の潤滑油として、またポスドクや助教など博士取得後のキャリアパス支援において多大な役割を果たしてもいます。2005年に巽教授と日独共同大学院プロジェクトを起ち上げたエルカー教授は、スタート時の予想よりもはるかに大きな活力をもつものとなったと述べています。

DFG本部のセバスティアン・グランデラート氏

DFG本部のセバスティアン・グランデラート氏

ワークショップ後には、支援機関であるDFGとJSPSの代表者がこの分野における今後の共同作業についてミーティングを行いました。いずれも、日独共同大学院プログラムが若手研究者の育成にとって成果と価値のある手法であることが実証されたとして、今後も共同作業を継続・強化していくことで合意しました。本ワークショップで得たこれまでの成果と今後の課題は、JSPSとDFGが共同で取り組む日独共同大学院プログラムの発展に活かされます。

 その晩に明治記念館で催された懇親会では、打ち解けた雰囲気で意見交換や情報交換が行われました。JSPS国際事業部の加藤久部長、DFG日本代表部のイリス・ヴィーツォレック代表の挨拶で始まった懇親会には、ワークショップの参加者に加えて、翌日のDFG日本代表部3周年記念のエキスパート・ミーティング「優秀な若手研究者をめぐる競争−テニュアトラックは最良のキャリアパスか? 日独それぞれの課題と展望」の参加者である京都大学の本庶祐教授(前内閣府総合科学技術会議議員)、ドイツ大学教員連盟(DHV)のフーバート・デトマー理事、マールブルク大学のケルスティン・フォルツ教授(ハイゼンベルク・プログラム教授)も出席しました。乾杯の挨拶は、東京大学博士課程大学院生の斎藤拓也さん、ミュンスター大学博士課程大学院生のアンナ・ユンカーさんが行いました。

日独両国の参加者

日独両国の参加者

© jsps